B/S (貸借対照表)

B/S から分かること
B/S から分かることは会社の資産と負債, 純資産の関係です.


資産の部, 負債の部, 純資産の部に分けられて記述されますがそれぞれは以下の通り関連しています.

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貸借対照表

資産の部=負債の部+純資産の部


この様になっています.
通常は下図の通り資産の部が左側に, 右側には負債の部と純資産の部がそれぞれ書かれます.


負債の部と純資産の部の合計が資産の部と同じになるように表が作られており, 会社の持つ資産がどこから来たお金で成り立っているかが分かります.


会社を人に例えるならば, その人の財布や通帳の中身, 家の価値など全ての資産がお金に換算されて資産の部に示されます. 一方で, この資産を手に入れるのにどこから来たお金を使ったかが負債の部+純資産の部に示されます. ローンを組んでいれば負債の部に借入金として書かれ, 貯金であれば利益剰余金などとして純資産の部に示されます.


資産の部, 負債の部の一般的な記載法
基本的には流動性が高いものが上に, 流動性が低いものが下へと順番に並んでいます. 資産の部, 負債の部共に流動 (資産 or 負債), 固定 (資産 or 負債) という風に流動, 固定に分かれて示され 一年以内に現金化できるもの又は返済が訪れる借入金はそれぞれ流動資産, 流動負債と呼ばれます. それ以外のものは固定資産又は固定負債と表記されます.


B/S から分かること
流動比率や自己資本比率などから会社の安定性が分かります. また, 過去数年間の推移を眺めると, その会社がどの様な財務・資本戦略を持ち経営を行っているかも分かります. 最近は会社の IR サイトでこれら財務・資本戦略の方針についても説明されることが多くなりましたね. それらを見ながら B/S を見比べればより分かりやすいと思います.


一昔前は売掛金, 現預金, 棚卸資産の増減推移等と損益計算書を見比べながらちゃんとお金が回っているか判断するのにも使いましたが, 今ではキャッシュフロー計算書があるのでこの辺りの判断もだいぶ楽にできるようになりました.


B/S の状況から会社の安全性を簡易的に判断できる.

流動比率
会社の短期的な支払能力の確認

流動資産/流動負債=流動比率(%)

200% あれば十分ですが KO, MCD PM などは 110% 前後です. 競争力のある企業の場合流動比率はそれほど重要な数値ではなくなります.



自己資本比率
経営の安定感を示します.

純資産/総資産(資産の部の合計額)=自己資本比率(%)

50% を超えれば優秀といえますね. ですが後述するように例外的な企業もあります.
B/S の形は様々
日本企業はできる限り純資産を厚くし, 安定した経営を行うよう努める傾向があります. 一方で米国企業は借入を積極的に行い資本の効率化に注力する場合が多いです. これらの具体例として PM, MCD があげられます. これら米国株投資家に人気の企業は得た利益を配当や自社株買いで積極的に株主へ払い出しており, 驚くべきことに純資産がマイナスとなっています. 純資産がマイナスの状況は債務超過と呼ばれる状況で, 日本では倒産の危険が差し迫った会社であり投資不適格と判断されます. しかし, MCD, PM に倒産が差し迫っているわけではなく, むしろ超優良企業で投資先としては最適格です. これら企業は資本効率を最大化する手段の一つとして意図的に債務超過の状況を作り出しています. ちなみに自己資本がマイナスのため自己資本比率はマイナスで表記されます. もうこうなると自己資本比率を算出する意味を成しませんね.


損益計算書, キャッシュフロー計算書と合わせて眺めることが必要

貸借対照表は会社の資産を表しますが, これは過去の積み重ねを表しているだけで, 今のお金の流れや稼ぐ力を表しているわけではありません. そこで, 稼ぐ力を表す損益計算書とお金の流れを表すキャッシュフロー計算書を組み合わせながら読む必要があります.

損益計算書, キャッシュフロー計算書については別の機会にまとめます.

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