香港鉄路 (MTR, HK: 00066) はグローバル展開する鉄道運営サービス会社
名前の通り香港基盤の鉄道運営会社です. MTR の愛称で親しまれています.
英国統治下の元香港政府による全額出資で設立された会社です. 現在も発行済み株式の過半数を香港行政府が保有しています.
英国統治下の元香港政府による全額出資で設立された会社です. 現在も発行済み株式の過半数を香港行政府が保有しています.
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本会社は香港島内の地下鉄運営にとどまらず. 北京, 上海, 杭州, 深圳 (シンセン) 等, 中国本土でも鉄道運営を行っています.
中華圏だけではなくロンドン, メルボルン, ストックホルムでも同様に鉄道運営を行っています. 地場の香港以外でも多数の地下鉄を運営する数少ない会社ですね.
MTR の強み
ラッシュアワー時には主要駅で 2 分間隔での運行を行っているにも関わらず, その定時運行率は驚異の 99.9% を誇ります. この技術力が海外の鉄道運営入札で有利に働いています.
売上高割合
2016 年のアニュアルレポートより作成
売上高の 60% は香港です. 中国本土を含めた海外売上高は 約 30% 程度あります. 駅に合わせた周辺地域の開発やテナント誘致なども行っていますが, 基本的には本業でしっかりと稼いでいる会社です.
基本情報
業績
基本的に売上高は右肩上がりです. 地場である香港でも新たな路線を開発しており, 売上高が伸びる余地はまだまだあります. 一方で, 開発に伴い膨らんだ減価償却費に圧迫されて営業利益と純利益の伸びは今一つです. この辺りは新たな設備投資が必要な現段階では仕方ないところですね. 2007 年は売上以上に利益が出ていますが保有資産でも売却したんでしょうかちょっと理由が分かりませんね. その後は普通なんで無視しました.
CF
営業キャッシュフローは順調に伸びています. 一方で設備投資により FCF は殆ど残っていません. FCF の増加については路線開発が一段落するまで我慢が必要ですね.
DPS, EPS, FCF/株
EPS は波がありますが DPS は右肩上がりです. 結果, この 10 年でDPS は 2.5 倍程度に増えています. 2016 年の DPS がずば抜けていますがこれには訳があります. とある路線の開発を香港政府と共同で実施することになったのですが, 香港政府がそのお金を工面するために香港鉄路へ一株当たり 2.2 香港ドルの特別配当の支払いを強制しています.
これなら共同開発では無く, 香港鉄路単独で進めた方がよかったように思えますね. この特別配当により借入金が増加し 70% あった自己資本比率が 64% に低下しています. まぁ, こまめに利確という点では, 株主として受取配当金が増えるのは喜ばしいことではありますが, ちょっと微妙です. ちなみにこの特別配当は2017 年も実施され, 同じく 一株当たり 2.2 香港ドルが支払われています.
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これなら共同開発では無く, 香港鉄路単独で進めた方がよかったように思えますね. この特別配当により借入金が増加し 70% あった自己資本比率が 64% に低下しています. まぁ, こまめに利確という点では, 株主として受取配当金が増えるのは喜ばしいことではありますが, ちょっと微妙です. ちなみにこの特別配当は2017 年も実施され, 同じく 一株当たり 2.2 香港ドルが支払われています.
香港の一人当たり GDP はマカオ, シンガポールに続く第 3 位です. 10 年間に 1.46 倍に伸びています. 基本的に日本人より裕福ですね. 香港は中国とアジアの成長を受け発展することが明白な地域です. その地域を基盤として持つならば鉄道会社としても安泰でしょう.
株価推移
上記業績の通り売上高と営業キャッシュフローは右肩上がりです. また, 近年の特別配当の支払いに関連して株価が上がっています. 金融危機直前の最高値 32.9 香港ドルからは 1.41 倍, 金融危機直後の最安値 16.8 香港ドルからは 2.76 倍となっています.
現在の配当利回り
通常配当 2.3%
特別配当 4.8%
合計 7.1%
特別配当により配当利回りがとんでもないことになっていますが, 通常配当は 2.3% 程度です.
日々の生活に密着した鉄道という公益ならではの安定した業績が魅力の会社です.
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