18 年 11 月資産状況

18 年 10 月は世界的に株価が低迷し, これに付随してボラティティの高い市況となりました. このため今回の報告では大幅なマイナス成長となりました. 今回の下落が一時的な調整で, 再び上昇を見せるのか, それとも経済危機から長く続いた好況も今回の下落から低迷期へと移るのか不透明ですが, 淡々と配当再投資とつみたて投資を続けていればそのうち報われると思っています.


さて, 今月の資産状況に移ります.


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投資方針
・追加投資, 再投資と増配による配当成長を目指しています.
・グロース株に分類される銘柄についても一定程度は投資を行い, 値上がり益についてもある程度は取り込むようにしています.
・石玉混合の個別株 50 銘柄弱から成る広く分散されたポートフォリオを組んでいます.




投資方針別構成比


バリューが 42%(前月比-1%), グロース株 17%(+3%), 高配当株 35%(-2%), ETF (全てVDC) が 6%(±0%) となっており先月と比べてグロースの割合が増えています. この主な原因ですが, 前々から買いたいと思っていたテンセントを今回の下落に合わせて購入したからです.


後ほど少しばかり言及いたします.



(便宜的にグロースとバリューで分けていますが, 投資はその企業が持つ価値へ注目し, その価格 (株価) と比較して割安又は妥当であるとの判断から行うものです. ですから, 私はこれら 2 つの投資法の本質は同じであり特に分ける必要があるものではないと思っています. )




資産推移と売買について (集計は毎月 27 日 (又はその前後の休日) に行なっています.).


集計はドル建てで行っています. 先月から大きく後退しました. 集計を開始して以来の最低額を記録しています.


※この表は含み益の推移を表しています. 受取配当部分は再投資で元本に組み入れてしまっているので, 資産運用による正味の利益が伝わりづらいです. 配当分で上乗せされた利益が分かりやすくなるよう, もう少し良い表現が無いか模索しています.


テンセントについて.
さて, 先ほど触れましたが, 10 月中旬ごろにテンセントを一株当たり 278.78HKD でリスク資産の 3% 弱程購入しました. 先月先々月はつみたてNISA 以外の投資を行っていなかったこと, 情報技術関連銘柄の下落でグロースの比率がさがっていたことから少しばかりまとまった額を投資いたしました.


この投資で数年前に投資したアリババ, バイドゥ, JD と合わせて中国の情報技術大手を全て所有したことになります.


米国市場の下落と合わせて香港市場も大幅に下落しています. 米中が展開している関税をめぐる問題も大きく影響を与えています.


この様な背景から, なかでも高 PER 銘柄であったテンセントは大きく株価が下落しました. テンセントの主力事業であるゲームの許認可が中国政府により引き延ばされており, 収益の伸びが鈍化している点もその下落に拍車を掛けています.


モバイルゲーム市場では世界首位ともいえるシェアを持つテンセントですが, その規模とは裏腹に比較的分散された事業ポートフォリオを持つ会社です. メッセージアプリの Wechat を中心とした経済圏を背景として各種サービスの予約と利用, 税金支払いや送金など, すでに中国国内では社会インフラと呼べる地位を構築しています.


北京空港のスタバでコーヒーを買ったり, 中国の友人に頼まれて買った商品の支払いを Wechat pay で受け取ったりと実際に利用していますがなかなか便利なものです,


購入時のPER は おそよ 27 倍で割安感は全くありませんし, これまで継続して達成してきた高い増益率を今後も達成し続けるのかは完全に不透明ではありますが, これからの動向を会社の所有者として楽しんでいこうと思っています.



セクター別構成比


電気通信 21%, 公益 12%, エネルギー 13%, 生活必需品・一般消費財 30% (ぞれぞれ 15% づつ) 情報技術 15%, 金融+ BRK 10% となっています.


少し電気通信の割合が大きいですが, ブログ開始時点と比べると随分下がりました. 特定のセクターに過度に依存する状況は避けるよう投資先を選んでいます.




セクター別構成比推移, 各月の全体を 100 とした場合.


本グラフは 2017年01月の資産 (値上益込) を 100 として各月末の資産残高がどのように推移してきたかを表しています(期間: 2017.01-2018.10末). 円グラフの時系列変化のグラフです.


各セクターの構成銘柄
銘柄の並びについては特に理由はありません. 保有割合に合わせた方がよいだろうか...

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金融
HSBC, 中国工商銀行, 中国建設銀行, 中国銀行, PYPL が主力銘柄です.


新興国銘柄またはその地域を事情の柱とする企業を多く含むため私の保有銘柄群では最もリスクの高い投資先が固まっている部分です. それでも金融は国の発展の基盤となり, 国の成長に比例してこれら企業も発展を続けます. よって, 資産の一部をこれらの会社へ投資することに妥当性があるといえます.


情報技術
GOOGL, JD, BABA, IBM, BIDU を主力銘柄としています. 今月ここにテンセントが仲間として加わりました.


基本バリュー株投資を好む私がテンセントを買ったことが, もしかしたらこの銘柄の終わりの始まりを告げる事になるかもしれませんね,
しかし仮りにこの会社の株価が 1/10 あるいは無価値となったとしても, 所詮 1 年で受け取る配当金未満の損失です. たかが知れていることが分かります.


その様な事にはならないと信じていますけどね.


(JD, BABA については本来は一般消費財サービスまたは耐久消費財サービスに分類されますが独断と偏見で情報技術に分類しています. ご容赦ください.)

生活必需品/一般消費財 (一部耐久消費財)
MCD, GIS, PM, MO, VFC, KO, TPR, SBUX, DIS, VDC (ETF) を主力銘柄としています. 構成比としては低いですが中国の食品会社, 達利食品や中国旺旺などにも投資しています. これらの会社は人々の消費と密接にかかわっています. 好不況の影響を受けつつも, 人々が食事をし, 服を買い, 歯を磨いて寝る事に変わりありません. そう思えばこれら企業の株価の変動など取るに足らないものだと思えて来るでしょう.


エネルギー
XOM, RDS, BP, CVX, ペトロチャイナ, シノペック, 国際石油開発帝石を主力銘柄としています. 脱石油の流れが高まってきてはいるものの, 現実的な解としてそれを示した国はまだ一つもありません. 相変わらず世界中でガソリン車が走り, 物流を支えるコンテナ船も, 世界を結ぶ航空機も全て石油燃料で動いています. 燃費は向上しても石油からの脱却はまだまだ先でしょう.


また, 近年注目されている LNG についても, 結局これを安定して供給できるのもこれらエネルギー会社であることに他なりません.


私は世界的な流れに反し, エネルギー株への投資を継続します.


公益
NGG, 華能国際電力, 香港鉄路, 北京首都国際空港および各種港湾 (主にはCOSCO shipping ports) や高速道路運営会社を主力銘柄としています. NGG 以外, 中身は中国株の塊です..これらの銘柄, 特に最も投資割合の大きい香港鉄路, COSCO shipping ports, 北京首都国際空港は各企業が置かれた地理的な優位性から比較的安定した収益を上げており, この状況を反映して増配にも積極的です. 今後が楽しみな銘柄群です.


電気通信
VOD, NTT 親子, 中国 3 大キャリアが主力銘柄です.
VOD の株価が万年軟調でパフォーマンスを下げる主因になっています.
VOD については電気通信を主な事業としつつ, 子会社の vodacom がアフリカで主に提供している M pesa が面白いサービスだと思い投資を行ないました. この送金サービスは社会インフラとして定着しましたが, 本業の通信事業の競争が激しく業績が安定しません. 特に今後の主力マーケットとして見込んでいたインドでは特に熾烈を極めています.


毎年ポンドベースでは増配を続けていますが, 今後の業績に対する不透明感は強いです. 株価の推移がこの不透明感, 失望感をよく表していますね.
今回の報告では含まれていませんが, 11 月に入り NTTドコモと NTT が下落したため, 来月の報告ではさらに本セクターの投資割合がさがると予想しています.


ドコモの発表について思う事
日本国内の消費者は自分自身で MVNO (格安 SIM 会社) を選ぶ権利があります. わざわざ利用料金の高い会社を使い続ける理由など本来はないわけです. しかし人々は非合理的であることもまたよく知られていることです.


調べるのがめんどくさい, 分からないなどの怠慢によりなかなか格安 SIM 各社に人が流れませんでした. 競争が生まれる環境にあっても競争が生じなかったんですね.


言うなれば人々が消極的に選択した非競争環境を, ドコモが忖度して自ら価格競争を仕掛けた事になります. 本当に資本主義の国かと疑いたくなる出来事です. (しかし, NTT の 30% を握る大株主は国と言えるので何とも言い難い点ではありますね.)


1-2 年ほど前に利益をため込むなと国有企業へと増配を迫った中国共産党が, さすが共産主義だと日本国内で話題になりました. しかし中国が行ったこの発言は企業の売上高に大きな影響を与えるモノではないですし, 課税はされるものの配当として株主の実現益となるだけなので, われわれ株主に与える影響も軽微です.


しかしドコモの今回の件は異なります. 明確に株主の利益を毀損し, サービスの値下げとして消費者に利益を移転する行為です. もはや営利を目的とする企業のやることではありません.  この様な状況を鑑みると株主から見た日本市場は既に中国市場以下の価値しかないとも捉えることができます.


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セクター別構成比推移 2017, 01 の全体を 100 とした際の推移


本グラフは 2017年01月の資産 (値上益込) を 100 として各月末の資産残高がどのように推移してきたかを表しています(期間: 2017.01-2018.10末).


利上げ局面から公益と電気通信の運用結果が低迷し 2017. 1 月末と比べてマイナスになっています. この 2 セクターは今後も苦しい状況が続くことと思います. また, 昨年から買い増しを続けている生活必需品セクターも景気拡大局面では株価の伸びは限定的ですから大きな値上がり益は見込めません. 今後もこの流れは継続しそうです.



国別構成比


中国株と米国株の比率が同程度となるように, 買い増しによるリバランスを継続しています.
現在中国 40%, 米国 35%, 英国 10%, 日本 12%, その他 (ロシア, ブラジル, オーストラリア) は合わせて 5% 前後となっています.


覇権国であるアメリカとそのキャッチアップを狙う中国, これら両国の株式で資産の 75% 程を占める事になります.


昨年 2017 年初めには中国株比率が約 50% でしたが, 10月初旬には 38% まで低下していました. 10 月中旬にテンセントへ投資したため, その比率が再び 40% 近くへと上がっています.


米中比率を同じかまたは米国株が主力となるよう買い増しによるリバランスを行っています. 軟調な中国株に浮き沈みはあれど相対的に好調ともとれる米国株ですから, もしかしたら資産のマイナス成長により, 年内にその比率が逆転する可能性もゼロではありません.


近いうちに中国株に過度に依存する資産状況からの脱却を完了できそうです.




国別構成比推移 各月の全体を 100 とした場合


構成比の変遷がよくわかります. 構成比で言及したい箇所は触れたので特にコメントなしです.




国別構成比推移


本グラフは 2017年01月の資産 (値上益込) を 100 として各月末の資産残高がどのように推移してきたかを表しています(期間: 2017.01-2018.10末).


毎回述べますが, 愚直に配当再投資と積立投資を続けていけば, いずれは報われるだろうと思っています. そのためには『まともな会社』への投資が不可欠です. 現在保有する個別株について, その選択が正しかったのか結果が表れるのは数十年後ですね. しかし, これではその選択がミスを取り返すチャンスは息子に譲ることとなってしまいます. これでは遅いので, リスクヘッジとしてつみたて NISA 制度を利用した全世界株指数 (日本除く) への投資を行っています.


(とはいっても 20 年間毎年満額の 40 万円を積み立てても, その総額は現在のリスク資産額以下なので, 完全にリスクヘッジできるわけではないのですけどね.).




YOC と配当利回り推移


※全保有株の総額で求めた YOC と利回りです. よって, 無配銘柄も含まれた値となっています. YOC が 4.00%(先月比 -0.21%), 配当利回りが 3.68% (+0.13%) となっています.


YOC の低下は配当利回りが 0.3% しかないテンセントを買ったこと, 特別配当がはがれた銘柄を反映させたからです.


配当利回りが上がったのは単純に時価がさがったからですね.


業績連動で配当金が変動する中国株も含まれていて今後の推移が読み辛いですが, 足元の経済は好調で, 毎年増配している会社が多いです. 今後も安定的に増配を行っている企業の比率を増やすことで, 増配を通じて YOC 5% を目指していきます.




受取配当金増減率




買い増しと保有株の増配により受取配当額は 2017年 1 月比 32.09% の増加となっています. キャピタルゲインはなかなか伸びないですが, 毎年受け取る配当金は着実に増えています.




セクター別利回り


セクター別では以下の通りです. 先月同様各セクター共にかねがね 3-4% の範囲に収まりますが情報技術セクターだけはグロース株を多く含むため 1% 前後の利回りとなっています.




配当金セクター構成比

電気通信が大きいですが, 良く分散されていることが分かると思います. 特定の国, 特定のセクターに偏ることなくバランスを心掛けて今後も配当成長させていきたいものです.




投資先選定方針
1.セクター比のバランスを加味しつつ銘柄を選択する.
2. 銘柄の選定は配当成長に主眼を置く.
3. その一方で, 値上がり益を狙える銘柄であれば無配でも投資対象として許容する.


え? 3 項目のせいで何でもアリになってる??・・・あれれ?(´・ω・)? (今月はテンセントをこの 3 項目で買いましたね.)



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多数の銘柄管理はなかなか時間を取られますから, 投資に掛ける時間等を鑑みれば圧倒的に ETF や投資信託を通じて投資を行う方が優位性が高いです. 投資を趣味としていなければ ETF and/or 投資信託+積立投資+再投資を基本として資産形成を行った方が間違いがありません.


個別株への投資を基本として資産運用したらどうなるのかその成り行きを記録として残せたら良いと思っています.


さて, これから先の資産推移を見て, 子供から『凄いね』と言われるか『はやく ETF でパッシブ投資しておけばよかったのに』と言われるのか, どちらになるでしょうか. どちらにしてもこれから先が楽しみです.




ジュニアNISA も活用しています.
お年玉や出産祝い, こども手当が原資となります. 子供の資産を代理運用するわけですから, 趣味に走らず堅実に, 全世界株指数に連動するもので運用しています.


よって野村つみたて外国株一本です.


本商品は日本除く全世界の株式 (先進国+新興国) に投資するものです.
信託報酬も安いですし, 趣味を排して子供の為の資産を積み立てるなら非常に優秀な商品です.


合わせてつみたて NISA を始めたのでより強固な保険になると思います☆こちらの状況についても一応毎月報告しています,


Let's enjoy investment!


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ETF, ベンチマークについての解説を行っています.


投資先の選択が悩ましいなら AI に投資をお願いするのも良い手段です.


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投資だけでなく, 人生においても参考となる助言が多いのもバフェット氏の特徴です.


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