日本国内世帯の資産残高と保有資産割合, 保有資産別世帯割合の状況について, 私たちはどのように未来へと備えるのか①

総務省より 家計調査年報 2016 年度が 2017年 5 月 16 日に公表されました.
本データは日本国内の家庭における金融状況が把握できるためなかなか面白いデータです. 毎年公表されています.
今回は各家庭の金融状況, 特に資産構成比に注目してみました. 今回のデータも日本人の預貯金, 保険偏重型の資産構成を再確認する内容となっていますが, 今回は, この中でもリスク性資産の保有割合に注目しました.
先ずは基本情報からです.
調査結果概要. 報告書より抜粋
本調査によると, 1 世帯当たり貯蓄残高は 1820 万円で前年比 0.8% 増え 4 年連続の増加となりました. 貯蓄保有世帯の中央値は 1064 万円となっています.


(ちなみに負債現在高は 507 万円であり, 前年に比べて 1.6% の増加を見せたようです. 負債保有世帯の負債中央値は 1006 万円となっています. 今回は取り上げません.)


基本データ
貯蓄現在高階級別世帯分布 (2人以上の世帯) -2016年-


貯蓄世帯の中央値: 貯蓄残高 『0』の世帯を除いた世帯を貯蓄現在高の低い方から順に並べた時に中央に位置する世帯の貯蓄現在高.
-貯蓄現在高別世帯割合-総務省資料より引用.


上記データは保有資産別世帯割合を示しています. 突出しているのは貯蓄残高 100万円未満の世帯です. 10.5% の構成比を示しています. 貯蓄率が上がるほど比率が減りますが, 500~600万円および 1000~1200 万円で少し上がっています. 切の良い数字である500万円または, 貯蓄額 1000 万円超えを一つの基準としてとらえている事が伺えます. 2000万円以降の世帯構成比は極端に減少し, 2000~2500万円で 6.3%, 以降 2500~3000万円 (4.5%), 3000~4000万円 (6.4%), 4000万円~ (12.6%) と続きます.

一般的に以下の図の通り, 保有金融資産 3000万円までがマス層と呼ばれます. 総務省のデータでもこの世帯が構成比の約 81% を占めています. 家を買い, 車を買い, 日本人に一般的な保険を掛けて 3000 万円以上の資産を積み上げるのは容易ではありません. それでもこの程度の金額であれば給与収入だけでも日々の生活にメリハリをつけて貯蓄すれば十分に貯められる金額でしょう.

一方で, これ以上の資産規模となるアッパーマス層(3000~5000万円)や純富裕層(5000万円~1億円)となると平均以上の (または平均を大きく超える) 給与と節度ある生活が必要となります. 富裕層以上 (1億~) となれば, 一般的には投資をしなければ到達不可能な値となってきます. 彼らの構成比はおよそ全世帯の 2.2% 程度です.


出典:野村総合研究所ニュースリリリースより転載

貯蓄額 1000 万円から見え始める世界がある.
貯蓄額 1000 万円は一つの目標かもしれませんが, この値はゴールではなくスタートです.
この貯蓄額があれば, 健康上の問題その他のショックに耐えられます. この貯蓄額を基盤とし, 徐々にリスク性資産を増やし始めることで, マス層からアッパーマス層, さらに純富裕層と到達する階段が徐々に見えてきます. 次回で触れますが, 貯蓄額 678~1378 万円の世帯で有価証券の保有割合が増え始めるのが分かります. 精神的にもリスク性資産を持つ余裕ができるからです. あなたの家庭はどこに位置していましたか?
我が家は・・・さてどこでしょうね (^^)
続きます.
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