クローズアップ現代から『先行き不安病を斬る!我が家のマネー防衛』で見る反面教師

17年04月18日放送のクローズアップ現代で, 低金利下で将来への不安を抱える人々と, いかにその不安を理性的に受け止め, 将来に備えるかが特集されてました. コメンテーターとして 以下の2 名が招かれています.


敬称略
山崎元(経済評論家/楽天証券経済研究所 客員研究員)
81年東京大学経済学部卒. 三菱商事, 野村投信, 住友信託銀行, メリルリンチ証券, UFJ総研など12社を経て, 現在, 楽天証券経済研究所客員研究員, マイベンチマーク代表取締役を務めています.

岸博幸(慶應義塾大学大学院教授)
一橋大学経済学部卒業, 日本の元経産官僚. 総務大臣秘書官等を経て, 慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授です.



番組の内容を要約すると
過度に悲観的にならず, 合理的に人生計画を立てましょう.

ということです.


要点は下記の 4 項目です


▪ 将来いくらか必要か計算し, それに合った貯蓄プランをたてましょう
▪ iDeCo  を活用しよう
▪ 地雷商品を踏まないよう金融知識をつけよう
▪ 人が与えるリスクを認識し適切な相談相手を選びましょう

それぞれ詳しく見ていきます.

 将来いくら必要かを計算し, それに見合った貯蓄プランをたてましょう.
    自分の生活で, どの程度の支出が今後予想されるのか, 老後にいくら必要か予測を立て, 足りない分を貯蓄しましょう. それでも足りない分を合理的な判断から金融商品を選択し運用しましょう.
将来予測が立たなければ無用にリスクの高い商品での運用を行う可能性がありますよね. リスクとリターンのバランスが大切です. このバランスを見極める為には自分が許容できるリスク範囲を含めて現状を理解する必要があります.

▪ iDeCo  を活用しましょう.
    所得税を払っている人には税制上のメリットがあります. 口座維持管理料や毎年引かれる手数料がありますが, それらを総合的に考えて利用を考えましょう.
   これはそのままですね. 手数料を負担しても見合うメリットがあれば活用すべきです.

▪ 地雷商品を踏まないよう金融知識をつけよう
  以前の記事にも多少言及しましたが, 証券各社が扱っている iDeCo 向け商品の中ですら明らかな地雷商品が散見されます. これらを見極められる程度の金融知識を身につけましょう. というのが番組の主旨です. 山崎元 氏が番組中で 0.5% 以下の信託報酬の投資商品を選択しましょうと何度も仰っていました.
この点は金融庁が示した, 積立 NISA に適した金融商品の基準が大変役に立ちます. こちらで記事にまとめています.

▪ 人が与えるリスクを認識し適切な相談相手を選びましょう
   相談相手もまたリスクということです. 金融商品の選択するにあたり, 銀行や証券会社に相談したくなる気持ちもわかります. 「餅は餅屋」というやつですね. ですが, これは一方で美容師に髪を切った方がいいか聞くのと一緒です. 「客: 切った方がいいですか? →美容師: 切りますよ」って言いますよね? 金融機関は手数料収入が入ってナンボの商売です. 自分自身に合わない金融商品を買わされるリスクが常にあります.
番組では金融商品の相談相手と販売相手を分けることで不適切な商品を買わされるリスクを避けましょうとのことでした. しかしこの点はどうすれば良いかを具体的に言及しませんでした. たぶんできなかったのでしょう.

この点は日本では難しいですね. 日本ではこういった人が提供するサービスは無料が基本です. 米国ではこういったアドバイザー業務が一つの職業として確立しています. 日米の文化の違いを乗り越えて独立した立場として投資家の視点に立った商品を勧められるアドバイザーの浸透が日本でも必要ですね.
おつりで資産運用ができる時代が来たで触れた資産運用サービスを提供するウェルスナビ等がもしかしたら日本での草分け的存在に育つかもしれません. 今後に大きな期待を寄せています.

出演した主婦の節約術と投資先の選択が終わっている.
ブレーカーを落としたり, 買い物に片道 15 分のスーパーに向かったりと涙ぐましい努力が伺えます. 『削れるところが食費と水道光熱費しかないんです』 とかなり悲痛な面持ちでした. しかし家庭の状況を見るにまだまだ改善が可能と見受けられました.

節約と平行し抜本的な改善が必要
本番組中で一瞬写った銀行のATM 時間外手数料が1日に何回も取られていたりと, 気を付ければ対処可能な点が疎かにされておりコツコツ積み重ねた節約の効果が水の泡です. また, 住宅ローンの支払いが 9 万円/月 (関連費用除く) と大きく, 家計を圧迫していることがわかります. 収入に合った家を購入する必要がありました.

以前の記事にも書きましたが, 本当に減らすべきは住宅, 車, 通信費, 保険 これらの固定費です. 食費, 水道光熱費は絶対額が小さい為にその節約にも限界がある一方で, 節約の為に感じる日々の負担感は大きいですから続けるのに忍耐が必要です. 日々感じる不自由さに比較して得られるメリットが少ないため, これらの節約から入るのはお勧めしません. (でも趣味でやるなら別です. 趣味ですから.)
先ずは固定費を減らし, 続いて変動費です.

家計の為と, 最悪な金融商品の選択をする.
将来が不安だからと銀行預金と個人向け国債を解約し, 新たにドル建て保険に移行しています. もうこの選択が最悪です. リターンは限られリスクは高く, 私たちには旨味どころか害しかない金融商品です.

この例はとても良い反面教師であり, やってはいけない事を網羅している家庭でした. 著名ブロガーさんの言葉を借りるなら完全に努力の無駄遣いです.
節約も投資も基本を押さえる事が肝要です.

まとめ
・老後に必要な資金は, 不慮の事態もある程度踏まえて余裕を持って若いうちから積み立てておく.
・節約では固定費の削減を優先する.
・投資ではリスクとリターンを秤に掛け, 自分にとって適切な商品を選ぶ.
・選択できるほどの金融知識を身に着ける必要がある

何度も言いますが, 投資商品選びには積立NISAに適した投資商品で取り上げた金融庁の足切りラインがとても参考になります.

Sponsored link 他にもこんな記事を書いています.
我が家の節約術です. ミニマリストではないですが, 人によってはそう感じるかもしれません.
(節約, 実例) 家計もメリハリが大切! あなたはどうやって投資資金を捻出していますか
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