毎月分配型投資信託 初の資金流出 しかし実態は大して変わっていない
毎月分配型投資信託の資金流出が続いているようです. 今年 1-6 月の半年間で 202 億円の資金流出となりました. 日経新聞の速報では金融庁の指示で販売自粛の為とありましたが, 実態は少し違うのではないかと思っています.
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ここ最近毎月分配型の分配金減額が相次いでおり, その分配金先細りを懸念した解約が増えています. しかし, その解約した資金は資産形成に適するとされるインデックスファンドに向かっているのかというとそれも違います.
投資先は結局毎月分配型
解約した結果乗り換える先は分配金がいまだに減額されていない毎月分配型投資信託というのが実態です. 以下は価格.com で人気の投信上位 10 商品ですが, 6 本が毎月分配型, そのうち 4 本が REIT への投資です.
以下に現在 (2017,07,12) と 年初 (2017,01,01) の資産額とその増減を示しました. また, 同表には分配金減額日も合わせて示しています.
価格.com で人気の投信上位 10 商品
人気の投信 10 商品で毎月分配型のみをピックアップし, その純資産と増減を年初と現在で比較しました. その結果, 年初又は昨年末に分配金を減額した 2 本の大型投信 (No. 3, 8) の資金流出が大きく, この 2 本で 6000 億円の資金流出を起こしています. しかし上位 10 本全体では 2000 億円程度の資金流出にとどまっています. 加えて, 日経新聞によると毎月分配型投資信託からの資金流出は半年で 202 億円ですから, 差額 1800 億円は別の毎月分配型投資信託が受け皿になった事を示しています.
また, 上位 10 商品の毎月分配型投資信託の純資産総額は 年初時点で 4.2 兆円あります. 毎月分配型投資信託の純資産規模は大きく, その内たったの 202 億円の流出です. 上記 8 商品の純資産を基準として求めただけでも率にしてたかだか 0.48% 程度の流出です. 高配当な毎月分配型商品が投資家に望まれていることが分かります.
毎月分配型の仕組みが悪いわけではない.
毎月分配型の投資信託が重宝されるのはそれなりに理由があるでしょう. 資産形成を終えて毎月の配当を生活費に回す退職後世代もいるでしょうし, とりあえずは配当として分配金を受け取ることでこまめに利益確定したい投資家もいることでしょう.
毎月, 四半期, 半年, 毎年と受け取る期間は違っても支払われる配当は一緒です. 配当は所詮配当です. それが毎月支払われるか半年又は一年に一度支払われるかの違いだけです. 米国の ETF では毎月分配型のものも見かけますね. 個人投資家に人気の PFF は毎月分配型です.
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元本を毀損する分配が問題.
米国 ETF の毎月分配型は元本を毀損する分配は行っておらず. 保有資産からの配当等をそのまま分配しているだけですから問題となりません. しかし, 日本で販売されている毎月分配型投信が資産形成に向かないのはタコ配 (たこ足配当) を行っているからです. 基準価格, 投資元本を毀損するような配当をするから問題なのであって, 毎月分配型の投資信託という仕組みが悪いわけではありません.
目先の数字 (分配金利回り) を良くして多額の信託報酬を投資家から搾取しようとせずに, 適切な分配金, 適切な信託報酬を心掛けた商品設計が望まれます.
私も購入したことがある.
6-7 年前投資信託の分配金を調べていた際に毎月分配型利回りの高さに驚きました. 年率にして 14-16% 程度の利回りはあったでしょうか. しかし運用報告書を見てみると実態はやはりタコ配です. 本当に表示通り分配金が支払われるか気になったため 5 万円程度試しに購入し, 半年間程分配金を頂いたのちに売却いたしました.
タコ配の実態を理解した上で投資信託を持ち続けるのは精神的苦痛が伴います. 元本の毀損により損失が確定しているからです. それでもこの半年間は大きな下落も無く, 想定利回りのまま分配金が支払われたのは幸いでした.
地雷を避ける努力をしよう
運用報告書に目を通すのは面倒ですが, 分配金がどのように出ているか確認し, 検討している投資商品にどのようなリスクがあるか把握してから買いましょう. 労働で賃金を得るのは大変です. 長い時間がかかります. ですが投資のミスでその元本を毀損するのはとても簡単です.
世の中には高配当を謳う商品が溢れています. しかし高配当には理由が必ずあります. その仕組みを理解し, 納得できるものだけを買いましょう.
少しの手間で地雷を踏む可能性は格段に低下します.
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ここ最近毎月分配型の分配金減額が相次いでおり, その分配金先細りを懸念した解約が増えています. しかし, その解約した資金は資産形成に適するとされるインデックスファンドに向かっているのかというとそれも違います.
投資先は結局毎月分配型
解約した結果乗り換える先は分配金がいまだに減額されていない毎月分配型投資信託というのが実態です. 以下は価格.com で人気の投信上位 10 商品ですが, 6 本が毎月分配型, そのうち 4 本が REIT への投資です.
以下に現在 (2017,07,12) と 年初 (2017,01,01) の資産額とその増減を示しました. また, 同表には分配金減額日も合わせて示しています.
価格.com で人気の投信上位 10 商品
純資産 | 純資産 | ||||
投資信託名 | 2017,01,01 | 2017,07,12 | 増減 (百万円) | 分配金減額日 | |
1 | ニッセイグローバル好配当株式プラス | 75,484 | 112,281 | 36,797 | 17,04,17 |
2 | ひふみプラス | 0 | |||
3 | フィデリティUSリートファンド | 1,555,055 | 1,313,871 | -241,184 | 16,11,15 |
4 | ダイワUS-REITオープン為替ヘッジなし | 715,414 | 730,672 | 15,258 | |
5 | グローバルリートトリプルプレミアム | 25,194 | 45,502 | 20,308 | |
6 | LMオーストラリア高配当ファンド | 308,904 | 632,108 | 323,204 | 17,05,22 |
7 | グローバルフィンテック株式 | 0 | |||
8 | 新光US-REIT オープン為替ヘッジなし | 1,544,598 | 1,180,618 | -363,980 | 17,01,05 |
9 | ロボテクノロジー関連株式ファンド | 0 | |||
10 | ニッセイ日経 225 | 0 | |||
合計 | 4,224,649 | 4,015,052 | -209,597 |
人気の投信 10 商品で毎月分配型のみをピックアップし, その純資産と増減を年初と現在で比較しました. その結果, 年初又は昨年末に分配金を減額した 2 本の大型投信 (No. 3, 8) の資金流出が大きく, この 2 本で 6000 億円の資金流出を起こしています. しかし上位 10 本全体では 2000 億円程度の資金流出にとどまっています. 加えて, 日経新聞によると毎月分配型投資信託からの資金流出は半年で 202 億円ですから, 差額 1800 億円は別の毎月分配型投資信託が受け皿になった事を示しています.
また, 上位 10 商品の毎月分配型投資信託の純資産総額は 年初時点で 4.2 兆円あります. 毎月分配型投資信託の純資産規模は大きく, その内たったの 202 億円の流出です. 上記 8 商品の純資産を基準として求めただけでも率にしてたかだか 0.48% 程度の流出です. 高配当な毎月分配型商品が投資家に望まれていることが分かります.
毎月分配型の仕組みが悪いわけではない.
毎月分配型の投資信託が重宝されるのはそれなりに理由があるでしょう. 資産形成を終えて毎月の配当を生活費に回す退職後世代もいるでしょうし, とりあえずは配当として分配金を受け取ることでこまめに利益確定したい投資家もいることでしょう.
毎月, 四半期, 半年, 毎年と受け取る期間は違っても支払われる配当は一緒です. 配当は所詮配当です. それが毎月支払われるか半年又は一年に一度支払われるかの違いだけです. 米国の ETF では毎月分配型のものも見かけますね. 個人投資家に人気の PFF は毎月分配型です.
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元本を毀損する分配が問題.
米国 ETF の毎月分配型は元本を毀損する分配は行っておらず. 保有資産からの配当等をそのまま分配しているだけですから問題となりません. しかし, 日本で販売されている毎月分配型投信が資産形成に向かないのはタコ配 (たこ足配当) を行っているからです. 基準価格, 投資元本を毀損するような配当をするから問題なのであって, 毎月分配型の投資信託という仕組みが悪いわけではありません.
目先の数字 (分配金利回り) を良くして多額の信託報酬を投資家から搾取しようとせずに, 適切な分配金, 適切な信託報酬を心掛けた商品設計が望まれます.
私も購入したことがある.
6-7 年前投資信託の分配金を調べていた際に毎月分配型利回りの高さに驚きました. 年率にして 14-16% 程度の利回りはあったでしょうか. しかし運用報告書を見てみると実態はやはりタコ配です. 本当に表示通り分配金が支払われるか気になったため 5 万円程度試しに購入し, 半年間程分配金を頂いたのちに売却いたしました.
タコ配の実態を理解した上で投資信託を持ち続けるのは精神的苦痛が伴います. 元本の毀損により損失が確定しているからです. それでもこの半年間は大きな下落も無く, 想定利回りのまま分配金が支払われたのは幸いでした.
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他にもいろんな記事を書いています. 詳細はダブ内を参照ください.
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