2017年7月23日日曜日

バフェット指数 (指標) と全世界株式時価総額合計額推移 ② -各国の状況について-


前回までは全世界株式市場の状況を俯瞰し全体の推移と状況を把握できました. 続いては各国の状況に注目してみましょう. 2007-2009 年の金融危機に着目し, 主要先進国, 新興国のバフェット指数 (指標) はどの様な動きをみせたのか, また 2016 年の状況についてもそれぞれ見ていきます.

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2007 年の状況.

以下は色の濃淡によりバフェット指数 (指標) の過熱具合を表した地図です.






世界銀行より


こちらの地図から先進国, 新興国で代表的な国をピックアップして比較しました.

それが以下の表です.

2007 年バフェット指数Market
Capitalization(Trillion)
アメリカ137.6119.922
日本 95.924.331
カナダ 149.262.187
フランス102.92.74
ドイツ61.22.105
イタリア 48.681.073
オーストラリア 152.071.298
ブラジル 98.041.37
中国126.094.479
インド151.451.819
南アフリカ276.60.83
世界銀行データより著者作成. 

まさにバブル
バフェット指数 (指標) については軒並み 100 を超えています. まさにバブルです. BRICs ともてはやされた中国, インドがやはり高いですね. 加えて, 資源価格の高騰からオーストラリアの株式市場も好調だったことが伺えます. 一方でドイツ, イタリアの様に100 を大きく下回る国もあります. バフェット指数 (指標) の難しいところは単純に 100 を基準として扱えないことです. 各国によって適正値が変わるように見受けられますし, 時代背景によってもまた変わるといえます.

2008 年の状況.
続いて金融危機を迎えた直後 2008 年の状況です.


世界銀行より

対 2007 年のバフェット指数 (指標) および MC の状況を示します.

2008 年バフェット指数バフェット指数
比較 (対 2007 年)
Market
Capitalization
MC変化率
(対 2007 年)
アメリカ78.75-42.7711.59-41.82
日本 61.85-35.523.116-28.05
カナダ 66.73-55.291.034-52.72
フランス50.37-51.051.472-46.28
ドイツ29.6-51.631.111-47.22
イタリア 21.84-55.140.522-51.35
オーストラリア 64.8-57.390.664-48.84
ブラジル 34.91-64.390.592-56.79
中国38.68-69.321.779-60.28
インド54.53-63.990.647-64.43
南アフリカ168.32-39.150.48-42.17
世界銀行データより著者作成.

当然ですがバブルにあった BRICs に含まれる 3 ヵ国, インド, 中国, ブラジルは壊滅的となりました. MC の対 2007 年変化率は軒並み 60% 近い下落です.

一方でこの表に含まれる国々の中で最も下落率が低いのは日本です. この結果には大きな違和感を感じますよね. なぜなら 2007 年の TOPIX 終値 1500 から 2008 年末には 883 まで下落しており,  率にして 41% の下落を起こしているからです. 先ほどの表で示した MC の下落率 28% と比較して 10% 以上の開きがあります.

為替に助けられる日本の投資家
このズレの正体は為替です. 株価の下落と反比例して円が上昇したため, ドルベースでの値下がりは円ベースと比較して小幅に留まりました.『有事の際の円買い』というわけです.

少し本論と外れますが, 一つ言及しておきます.

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資産の 50% が目減りすることを常に想定する
私は円ベースで資産を見た場合, 外国株投資家は資産が 50% 目減りすることを覚悟して投資を行う必要があると何度か述べています. これは景気後退時には円高による為替差損と株価の値下がりの影響を同時に受ける可能性があるからです
.
その一方で, ドルベースで資産を眺めた場合, 給料を円建てで受け取る私たちは, ある程度のリスクヘッジが既に行われている状況と見ることもできます. 何故なら, 正社員の場合, その基本給は景気が良かろうが悪かろうが基本的にはほとんど変わらない一方で, ドル建てで見た場合には円高によりその給与額が大幅に増加するからです.

よって, 株価の下落による損失が, 給与で補てん可能と予想される投資家の場合には, 株式市場暴落時のリスクヘッジが既にしっかりとなされている状況とみることもできます.

その一方で既に給与から補てんできる額を超えて投資を行っている投資家は若干話が変わってきます. 投資比率 (リスク資産と現預金の割合) がリスク管理の要になります. 何度も聞いてまたかと思われる方が多くいらっしゃるかもしれませんが大切なことです. 私がある程度の額を現金で保有する理由はここにあります. 15-20% の現金比率を保ち投資を行うだけで, かなりのリスクヘッジへと繋がるからです.

不景気で生じる円高を利用しない手はありません. 過去の例を見れば, 驚くほど多くの財産を確実に生み出すことが可能なことが分かります. この機会を捉える為には, ある程度の投資資金を現金で確保しておくことが大切になってきます. ですから節度ある投資を常に心掛け, ある程度の現金比率を維持するよう努めましょう.

さて話を本題に戻します.

続いて2016 年のバフェット指数 (指標) についてみていきます.

2016 年の状況.
続いて 2016 年の状況です.


世界銀行より

対 2007 年のバフェット指数 (指標) および MC の状況を示します.


2016 年バフェット指数バフェット指数
比較 (対 2007 年)
Market
Capitalization
MC変化率
(対 2007 年)
アメリカ147.37.0427.35237.30
日本 100.324.594.95514.41
カナダ 130.32-12.691.994-8.82
フランス87.48-14.992.157-21.28
ドイツ49.5-19.121.716-18.48
イタリア ----
オーストラリア 105.3-30.761.268-2.31
ブラジル 42.23-56.930.759-44.60
中国65.37-48.167.32163.45
インド69.21-54.301.567-13.85
南アフリカ322.6616.650.9514.46
世界銀行データより著者作成.

アメリカ, 日本, カナダのバフェット指数 (指標) は既に 100 を超え, アメリカ, 日本に至っては 2007 年を超える水準にまで既に上昇しています.

MC についても両国共に 2007 年をそれぞれ 37% (米国) および 14% (日本) 上回る水準で取引されています. 適正価格で取引されているとはちょっと言いにくい水準であることは確かです.

その一方で 2007 年に飛ぶ鳥を落とす勢いであったBRICs の面々 (本表ではブラジル, インド, 中国) が出遅れています. バフェット指数 (指標) に注目すると, 中国, インドについては 65, 69 を示しおよそ適正といえる範囲に収まっているといえます.

続いて MC の増加率に目を向けるとブラジル, インドの MC は, 未だ 2007 年の水準を回復するに至っていません. 特に政治の混迷を受けたブラジルの低迷が目立ちます.

一方で, 中国は既に 2007 年を 63% 上回る水準にまで MC が伸びています. 2015 年には 中国で株式市場の大幅な調整がありました (3 大チャイナショック: ver 1, 2015 年 6 月; ver 2, 2015 年 8 月; ver 3, 2016 年 1 月). 2015 年 6 月 12 日に 5166 程度あった上海総合株指数は, 3 度の暴落により 2016 年 1 月 29 日に 2737 まで下落します. およそ 47% の暴落です. その影響を 2016 年も引きずっていますがそれでも 2007 年と比較しこれだけ MC が伸びました.

2016 年末にかけて李克強指数が急回復を見せてはいましたが, 決して好調とは言えない市場環境に在ったことは確かです. この様な状況に在りながらも順調に成長を続ける中国には, やはり逃れ難い魅力を私は感じます.


各国のバフェット指数推移 (1975-2016 年).
米国, 日本, インド, 中国です.


世界銀行より

ごちゃっとしていて若干見づらいですがご勘弁ください. 1989 年前後の日本の状況が飛び抜けています. これがバブルです. 同様の状況が 2007 年のインド, 中国にも見受けられます.

比較として以下には前回の記事でも示した株式市場全体の動きを示す全世界バフェット指数 (指標) を示します (1975-2016 年).

全世界バフェット指数推移 (1975-2016 年).

世界銀行より

まとめ
直近でバブルが生じた 2007 年には BRICs という一見魅力的に見える投資先が私たち投資家の目の前に転がっており, 我先にと買い漁った市場環境でした. 軒並み 100 を大幅に超えるバフェット指数がその状況を端的に表しています (2007 年 バフェット指数, および各国のバフェット指数推移を参照). 一方で現在はこれら BRICs に変わる投資先国が見当たらない状況です. その為に先進国, 特に米国の株価が大幅に伸びる一方で, 新興国株式が伸び悩む二極化の状況が確認されます. まさにまだら模様の投資状況が続いているのが今の株式市場といえます. 魅力的な会社や, 投資先として妥当な国や地域はどうしても割高に見えてしまいます.
何にどれほど投資するか今まで以上に難しい選択を迫られる市場環境です. 現金比率を若干高めに保ちつつ ETF も含めて購入対象を見極めていこうというのが今の状況です.

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基本的に保守的な投資方針を採っています.
外国株投資家は一時的に資産が 50% 減価する可能性を常に考慮しておく必要がある.

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