2018年3月3日土曜日

2017 年度版バフェットからの手紙 日本語訳 (1/4) 2018 年 2 月 アニュアルレポートから

バークシャーの 2017 年アニュアルレポートが先週末に出されました.
この報告書には毎年バフェットからの手紙 (正確には Chairman's Letter) と題された, 今期の業績を説明する部分があります. 毎年示唆に富んだコメントをされますので投資家の注目を集めていますよね. しかし私たち日本人には言葉の壁もありなかなか読みたくても読んでいられないという方も多いことでしょう.

そんなわけで訳すことにしました.

意訳が必要な箇所もありましたが大体合ってると思いますよ.
さて, 前置きはこれくらいにして本文に移ります.


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2017年のバークシャーの純資産は653億ドルの増加となりました. これによりクラスAおよびクラスB株式の1株当たり簿価は23%増加しました.


過去53年間でPBRは19ドルから211,750ドルに増加し, 年率で 19.1% 増加しています.
650 億ドルの利益が上げられた事に心から安堵しています.
しかし, 2017 年に得られた利益の大部分は, バークシャーにより達成されたものではありません.
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バークシャーの事業から得た利益は 360 億ドルであり, 残りの 290 億ドルは税法改正による減税により達成されました.


この事実を述べた後すぐにでもバークシャーの事業について議論したいのですが, GAAP の新しい会計規則について話さなければなりません.

新しい GAAP 規則について
新しい規則では将来の四半期および年次報告書ではバークシャーの純利益がひどくゆがめられ, 多くの場合で解説者や投資家を誤解させることになるでしょう.


新ルールでは, バークシャーが保有する株式の未実現投資損益の純変動について, バークシャーが報告する全ての純利益にその数値を含める必要があります.


この必要条件は GAAP の純利益を大きく変動させる要因となります.


バークシャーは、1,700億ドルの市場性のある株式(クラフト・ハインツの株式は含まない)を所有しており、これらの持分の価値は、四半期報告期間内に100億ドル以上容易に変動する可能性があります.


純利益にその大きさの変動を含めることは, バークシャーの経営成績を表す本当に重要な数字を覆い隠してみえなくしますので, バークシャーの業績を分析する目的のためにバークシャーの純利益は役に立たないものとなります.


過去に何度か警告していますが, 実現益についてもこれらの変動は未実現利益と同様にランダムで変動しますのでこの数値の変動によりバークシャーの経営状態を判断することの無いようにしてください.


結果としてバークシャーのポートフォリオ全体が低迷 (又はその逆) した期間に相当な実現益が報告されることがありましたが, これは主に, 私たちが最も有益だと考える時期に証券を売却するからであり, 私たちが何らかの方法で収益に影響を与えようとしているわけではありません


(じゅん補足:わざと決算結果を良くしよう(または悪くしよう)としているわけでは無いと言いたいんだと思います).


この未実現利益に関する新しいルールにより, 私たちはバークシャーの株主であるあなたたちにバークシャーの業績を正しく理解する為に必要な調整を行うのに四半期ごとに苦労しています.


しかし収益に関する報道ではほとんどの場合 GAAP の変化に焦点が当てられるため, 視聴者や読者に必要以上にそれらの数字が協調されてしまいます.


金曜日に業績報告を行うのは投資家に最大限私たちの情報を考察する時間を与えたいからです. でも会計用語が外国語とも呼べる株主の間 (会計用語に詳しくない株主の間) では混乱するだろうと思っています.


バークシャーでは調整後利益 (じゅん補足:たぶん non-GAAPのこと) の増加が最も重要であると考えており, これは長年のパートナーであるチャーリーマンガーもそのように考えていますし, 皆さんにもそうであってほしいと思っています.
さて, 2017 年度の業績は以下の通りです.

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企業買収について
バークシャーに価値をもたらすものは大きく分けて 4 つのブロックがあります


① 大規模な独立した企業買収
② 既に所有する事業に適したボルト・オン買収
③ バークシャーの各事業における内部成長 (売上高と利益率の改善)
④ バークシャーの巨額な株式及び債券の投資利益


じゅんによる補足
(ボルト・オン買収:企業の一部事業を買収すること, 最近の例では楽天がフリーテルのネットワーク部門を買収した件でしょうか. 携帯電話本体の開発販売部門は捨てられましたね.)


このセクションでは 2017 年の企業買収について振り返ります.


① 大規模な独立した企業買収
この項目で私たちが求めているのは耐久性のある競争力です.


・適切に良く管理されている
・有形資産の高いリターンを上げている
・高い内部成長リターンを上げている
・賢明な購入価格で取引されている


この 4 点ですが, 2017 年はすべての案件で価格が障壁となりました.
確かに, 楽観的な買収者にとっては, 価格は殆ど関係が無い様にみえました.


なんで買収に熱狂的になるかって??それは CEO という仕事が 「can-do」タイプであることを選ぶからです. ウォールストリートのアナリストや取締役メンバーが CEO にブランドの買収可能性を問いかけるのは, 買収することを肯定し, 後押ししているようなものです.


原文は以下の通りです↓
Why the purchasing frenzy? In part, it’s because the CEO job self-selects for “can-do” types. If Wall Street analysts or board members urge that brand of CEO to consider possible acquisitions, it’s a bit like telling your ripening teenager to be sure to have a normal sex life.
↑なんかバフェットらしい表現ですわ. 私の訳は少し意訳しています.

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一度 CEO が買収を望むと, その購入を正当化する予測が成り立ちます.


・従業員は応援し, 拡大した領域と企業規模に合わせて増加する報酬水準を想定します.

・莫大な手数料を手にする投資銀行家も喜ぶことでしょう (髪を切る必要があるかを美容師に尋ねてはいけません.).


・買収先の過去の実績が買収を正当化できない場合, 買収を正当化するための大きなシナジー効果が予想されます. 試算結果は決して失望はさせません.

2017 年は安い借入金が十分に利用可能であったために企業買収がさらに活発化しました.
結局のところ, 借入金を調達して行った買収であれば, それが高額での取引の時でさえ EPS を押し上げることに繋がります.

対照的にバークシャーでは総資産ベースでの買収を評価しています. (じゅん補足: ROA に重きを置くということでしょうか)


借入金も低く抑える様にしていますし, 買収に伴う相乗効果もほとんど考慮に入れません.


レバレッジを避ける私たちのスタイルは, 何年にもわたってバークシャーの収益を弱めました.


しかしチャーリーと私は, ぐっすりとよく眠ることができます.


私たちは 2 人とも, 投資家が必要としないものを得るために投資家が持っていて必要とするものを危険にさらすことは狂気であると考えています (じゅん補足:買収に伴う資本の無駄遣いをしないってことだと思います).


チャーリーと私は 50 年前にそれぞれの投資パートナーシップを運営しこの見解を持っています. それは, 私たちを信頼してくれた数人の友人や親せきから資金提供を受けてこのパートナーシップを立ち上げたからです.


今では 100 万人のパートナーがバークシャーに加わりましたが, 今でもその見解をチャーリーと私は持っています.
最近の買収機会が枯渇した状況にも関わらず, チャーリーと私は時々バークシャーが非常に大規模な買収を行う機会が得られると信じています. それまでの間, 私たちは非常に簡単なガイドラインに従うでしょう.


他人の行動に慎重さが無い時には, 自分たちは慎重に行動しなければならないという事です.

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昨年 PFJ の 38.6% のパートナーシップ持ち分を購入することができました. 同社は国内最大手の旅行センター運営会社であり, 売上高は年間 200 億ドルあります.
バークシャーは 2023 年にパートナーシップ持ち分を 80% に引き上げる契約を結んでいます.
② 既に所有する事業に適したボルト・オン買収
ボルト・オンの買収に話を移します. 小規模な買収をいくつか行いましたが, ここでは詳細は述べません. ただし, 2018 年初めに締め切りが延期された大規模な例がいくつかあります.


(じゅん: 細かい数字が多くてめんどいので少しの間, 大幅に意訳します.)

・Clayton Homes
バークシャーが買収した 2003 年の市場シェアは 13% でしたが, 今では 49% に達しています. Clayton Homes と PFJ の創業家は仲が良く, 今回の PFJ の持ち分購入の話にもつながることができました.


・不動産仲介業の Home Services が成長を続けています.
 同業の 3 番手と 12 番手 + もう一社, 計 3 社を買収したんだよ. 規模がめっちゃでかくなったけど, それでも仲介業の米国内シェアは 3% だから, まだ 97% もパイが残ってるよ! 合理的な価格であれば引き続き買収を続けてくんだよ(*'▽')


・プレシジョンキャストパーツがドイツの配管システム部品メーカーを買収したんだな. でも, ちょっと僕には製造業のことがよくわからないから詳しい説明は省略するよ.


でもねー. 幸運なことに, 僕がこの分野の知識を深める必要はないんだなー. 何故ならこの分野ではプレシジョンキャストパーツの CEO である Mark が優れた見識を持っているので彼に任せとけば問題ないのだよ. 多分上手くやってくれるからね.
時として, 人々に賭ける方が物理的な資産に賭けるよりうまくいくものだよ (*´▽`*).


次は私が理解している保険事業に移るんだなー. 続きはこちら.

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投資だけでなく, 人生においても参考となる助言が多いのもバフェット氏の特徴です.
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