ジュニアNISA に適した投資商品とは

前回の記事の通り, ジュニアNISA をはじめました.
本制度で許される投資先は つみたてNISA と異なり金融庁による縛りがありません.

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しかし, 大切な子供の資産が原資となりますから下手な運用は許されませんよね.
そこで, ジュニアNISA に適する運用商品を考えてまとめてみる事にしました.

結論を先ず述べますが私は全世界株指数一本への投資で良いと思っています. よって, 野村つみたて外国株 (除く日本) 100% で運用していくことにしました.

以下でその理由をツラツラと述べているので, 時間のある人は読んでみてください.

ジュニアNISA のポイントは以下の通りです.

対象年齢: 0-19 歳まで
非課税期間: 5 年間 (NISA 同様ロールオーバー可能)
運用商品: 国内外上場株式, 投資信託, ETF など
投資総額: 400 万円
注意点: 原則 18 歳まで引き出せません

この様になっています.

基本的には NISA の小口版といったところですが, 18 歳まで引き出せないのが最大の違いですね.

一方で NISA と同様に, 運用商品について金融庁からの縛りがありません. その為, 運用について自由度を与える一方で, その投資先について悩むことも多いと思います.

堅実な運用を心掛けたい
この時私が考える基準点は以下の 2 点です.
・息子の資産となるものであり, 堅実な運用が必須である.
・私たちに勝る運用期間を有し, 株式投資によるメリットを享受しやすい.


この点に沿って考えると以下の結論が導きだされます.
・個別株由来のリスクを排除したい
・運用益の最大化を目的として債券への投資を排除する


この 2 点から具体的な商品群と投資割合が求められます.


株価指数連動型の投資信託又は ETF へ投資を行い. その比率を 100% とする.


これですね.


ある特定の指数に連動する商品を一つ選択しても良いですし, 異なる指数に連動する商品を組み合わせて構築するのも良いと思います. しかし, 債券系は組み込みません.

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債券系を組み込まない理由
・息子に帰属する 100% 余裕資金のため暴落時に撤退するリスクが無い
・撤退リスクが無いため暴落時のリスクを低減させる必要が無い

この様な理由となります.

債券と株式の様にリスクの異なる投資先を組み合わせてリターンあたりのリスクを低減させる, 効率的フロンティアを投資の拠り所とするならば国内外の株式, 債券, REIT, コモディティを組み合わせてポートフォリオを構築するべきと言えます.

しかし, 効率的フロンティアを求める為には投資対象それぞれの関係性 (相関係数) およびリスク (標準偏差) とリターンを正しく算出しなければなりません.

しかしこの「正しく算出する」というのは曲者です. リターンは多くの仮定と予測が含まれたものとなりますので, そもそも正確に算出するのは不可能です.

では過去のデータに基づいて相関係数と標準偏差からその組み合わせを決めれば良いかというと, それも役に立たないでしょう.

過去のデータ, それは所詮過去のものであり, これらの値についても時と共に確実に変化していきます. よって, 程度の差こそあれ未来において不確実なものである点に変わりありません.

これでは, 恋占い並みに不確実なものを拠り所として投資を行うこととなりますし, 気まぐれに選んだポートフォリオより過去の結果に則って選んだ方が幾分マシという程度のものです.

理論は素晴らしくとも実用となればその限りでないというモノは案外多いものです. 少なくとも私には使いこなせません.

人は何か理由が付けられれば安心する生き物なので, 少しでも投資比率を決めた理由付けのネタができればそれでよいのかもしれません.

この様な理由から私は債券を組み込むことをやめ, 過去 200 年のリターンが最大であった株式 100% で運用してもいいんじゃないかという結論に達したわけです.

上記の理由を述べた後では蛇足となりますが, そもそも NISA 口座は売買によるリバランスが不可能な制度となっていますので, 毎年改定される標準偏差, 相関係数, 予想リターンから導きだされた効率的フロンティアに則って投資割合を調整することなど不可能です.

これでは債券等異なるアセットクラスを組み込むことで得られるはずのメリットを活かすことができません.

え?バランスファンドがある??・・・・え?(´・ω・`)?

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シンプルな投資を心がける
この様な理由から, 債券系を組み込むメリットが無いと私は判断しましたので, 株価指数に連動する投資信託又は ETF へ 100% 投資すればよいとの結論へと至りました.

さてここからようやく本題です.
株式への投資で考えられる選択は以下の通りです.

指数 (投資先)
・TOPIX (日本)
・NYダウ (米国)
・S&P500 (米国)
・CRSP USトータル・マーケット・インデックス (米国)
・MSCIコクサイ・インデックス (日本除く先進国)
・FTSE グローバル・オールキャップ・インデックス (全世界株)
・FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス (新興国)

などでしょうか.
内訳は 日本, 米国, 先進国, 全世界, 新興国 となっています.


で, ジュニアNISA どうする??

結論を再度こちらで述べますが, 私は全世界株指数一本への投資で良いと思っています. よって野村つみたて外国株 (除く日本) を積立てていくことにしました.

野村つみたて外国株 (除く日本)
ベンチマーク
MSCI ACWI(除く日本、配当込み、円換算ベース)
ACWI=オール・カントリー・ワールド・インデックス

信託報酬
0.2052%/年

特徴
先進国 20 ヵ国, 新興国 23 ヵ国の約 70 ヵ国へ投資する. 大型, 中型株から成り小型株は含まないものの, 世界株の時価総額 85% をカバーする. 先進国 87-88%, 新興国 12-13%.

コメント
配当込み指数をベンチマークとしている点に好感が持てる. 一本の投資信託で日本以外の国へ時価総額加重平均で投資が可能なのは便利.

こんなところでしょうか.

emaxis slim からも同じ指数に連動する商品が出ていますが, 配当除く指数をベンチマークとしている点が減点です. 楽天 VT も良い商品ですが, 日本が要らないなと思っていたので野村つみたて外国株の方が好みにあいました.

さて, この全世界株指数に連動する商品を選択した理由はというと, 必要な手間と得られるリターンのバランスが秀逸だからです.
時価総額加重平均で全世界の株式へ投資していれば以下の点で間違いがありません.


何も考えなくても, この商品を買うだけで平均点がとれる
・これから伸びる国や企業を取りこぼすことがない
・世界の GDP が拡大する以上に資産価値が伸びることがピケティ教授により確認されている ( r>g の式).
・株式のリターンが相対的に良い事がシーゲル教授の研究から知られている


指数のデメリットとして死にゆく会社への投資が避けられない事があげられますが, 株式市場で起こることはこれら衰退する企業から成長著しい企業への富の移転です. 市場で株が売買されることでこれら企業間の時価総額でトレードオフの関係が生じます.

これは, 個別株で見れば上昇と下降が起こるわけですが, 市場全体で見ればその時価総額に変化は無いということになります.

そしてこれは国内の企業間だけで起こる現象にとどまらず, 国をまたいだ指数間でも当然起こります. 先進国から資金が流出して新興国に向かう事があれば, その逆に新興国に向かっていた資金が逆流して先進国と米国に戻ることもあります.

各国々, 各企業の発展と衰退による影響が相殺されることで, 長期的に見れば全世界の企業が上げる純利益の増加割合に比例して全世界株の時価総額が上昇し, 結果として運用益へと繋がります.

衰退する国もあるでしょうが, それ以上に発展する国の成長に引っ張られて全世界指数は上昇を続けるでしょう.

この時に成長を支える国は米国かもしれませんし, 中国かもしれません, またはインドという可能性もあります. しかし, どの国がその役割を担うのか, 私たちが事前にその結果を知ることは困難と言えるでしょう.

全世界株指数に沿って投資をしていれば, 追加で取るリスクが無い分, 指数に連動した結果がそのまま得られることになります. つみたてるだけで平均点が取れるのは魅力的でしょう.

この時に, これら指数へ時価総額加重と異なる比重で投資を行っていれば, 例えば米国偏重や新興国偏重など, 追加で賭けたリスクと比例した利益又は損失を得る事になります.

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個別に組み合わせる選択肢もアリ
そうは言ってもこれからも米国の発展は揺るぎないものと言えるでしょうし, 新興国の勃興も収まるところを知らないという事もできるでしょう.

こんな時には各指数に連動した ETF 又は投資信託を組み合わせてポートフォリオを構築するのも選択肢になり得ます.

米国+新興国のみの組み合わせで米国以外の先進国を投資先から除くといった組み合わせを採る方も中にはおられるでしょう.

この時の投資比率は, それぞれの投資家が満足のゆく比率を考えて好みで選べば良いでしょう.

ただし, それに付随する結果は時価総額加重平均に加えてさらなるリスクを取った結果であることを覚えておいてよいと思います. フリーランチが得られるような状況はなかなか訪れるものではありません.

そういう意味では野村つみたて外国株の購入と言うのは日本が指数から除外されている分, 追加リスクを取った運用を行っているといえますね.

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