2017年3月3日金曜日

Global Terminal Operaters (GTO) の状況 2017

ターミナルオペレーターとは
港湾で荷貨の積み下ろしをはじめとする種々のサービスを海運会社に提供する事業です.

港湾は地理的な要因から代替えの効かない資産であり, その競争力に直結します. シェア上位のGTO は有力な港湾を傘下に収めており, その優位性から高い競争力を有します.

GTO のコンテナ取扱量は世界景気の拡大に伴い増大しています. 世界のコンテナ輸送量自体も増加の一途をたどっており, 2001 年には 4,788,319 TEU だったものが 2016 年には 19,879,669 TEU と約 4.15 倍に増えています. 加えて, 上位10社までのシェアに注目すると 55.5% (2001 年)→ 64.1% (2016 年) と上位企業への寡占化が進んでいます.


以下にGTOのTUE推移を示します (各会社のアニュアルレポートより抜粋して独自に作成しています).


各社共にリーマンショック前後にはコンテナ取扱量が減少しましたが, 近年では各社共にリーマンショック前を超える取扱量へと成長しています. 特に中国を拠点とするHutchson, COSCO の成長が著しいです. APMT については, アニュアルレポートに報告されていた扱いコンテナ量を反映しています. 一方で日本郵船の報告書にはこれらの倍量のコンテナ量が報告されて, 業界 2 位とのことです. どちらが正確なのか決めかねましたが, APMT 報告を尊重いたしました. わかる方がいらっしゃったらご指摘下さると有り難く存じます.
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各企業の特徴 
業界最大手のHutchison Port Holdings (HPH)

リンクは企業分析です.

香港の会社法人第一号として誕生した Hongkong Whanpoa Dock Company (HWDC) が起源であり,香港資本の長江和記実業 (00001) 傘下の100% 子会社です. コンテナターミナルの一部資産をHutchison Port Holdings Trust (HPHT-D)の名でシンガポールに上場しています. (SBI証券ではなぜか購入できません.)   

PSA
シンガポール政府系投資会社テマセクホールディングスの100%子会社であり, シンガポール港を本拠地とする専業オペレーターです. 前身はシンガポール公安庁であり, 組織改変によって100% 政府出資の持ち株会社となっています. シンガポール港の運営, 維持管理, 荷役サービスのすべてを一手に引き受けています.

両社はそれぞれ香港基盤, シンガポール基盤で埠頭運営を行っておりますが, 大量のコンテナを受け入れ可能な規模, 大型船舶を停泊できる設備の両面からハブ港として発展を遂げ, 永らくコンテナ取扱い量1,2位でした, しかしながら、中国本土の港自体の設備が近代化し, 大型船舶が停泊可能となったためにその地位を脅かされています. 特に近年では香港の順位低下が著しいです. そこで両者共に同業他社との協業を積極的に行っています.

DPW 
アラブ首長国連邦 (UAE) を本拠地とする専業オペレーターです. ドバイ政府所有投資会社 Dubai World を親会社とするドバイ政府系企業であり, ドバイ港の管理者です. 2005 年に香港の港湾オペレーター CSX を, 2006 年には英国の P&O Ports を買収しGTOの一角を占める企業へと成長しました.

APMT
デンマークのマークスグループ傘下の海運系ターミナルオペレーターです. 2001 年にスピンオフされ, オランダのハーグに本社を置いています. 元は自社コンテナのみを取り扱う支援センターとして設立されましたが, 港湾サービス事業に本格参入ました. 北米とロシアに強く, 特にロシアでは同国のコンテナ取扱量の 40% を扱っています.


COSCO SHIPPING Ports ←会社HPです.

中国遠洋運輸集団公司 (COSCO group) は中国初の海運会社として1961年創業した比較的新しい会社です。2016年、中国国内第2位の 中国海運総公司 (CSCL) と合併して海運世界第4位にとなりました。一帯一路を支える重要な会社です.
企業分析ページはこちらです.



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