(投資資料) 積立 NISA に適する投資商品


金融庁より積立 NISA の対象商品についての基本方針がまとまりました. 以下の基本方針より, 投資適格商品をスクリーニングしまとめました.


金融庁が示した基本方針



①契約期間が無期限か20年以上で, かつ毎月分配型ではないものを基本とする.


②投資家が負担する口座管理料や購入/解約にまつわる手数料がゼロ又は低めに抑えられている公募株式投信とETFに絞る。


③初期手数料だけでなく, 投信の運用期間中に投資家が負担する手数料にあたる信託報酬も制限する(公募株式投信は最大1・5%、ETFは0・25%以下).


単一のセグメントのみで構成された投資信託(バランスファンドではないもの)が望ましい. 株なら株, 債券なら債券のみで構成されたもの. これらが混在しないもの


3/30 日経新聞朝刊に以下のようなコメントがありました.


[積み立て型NISAの設計段階では, 投信の1割程度が対象になると予想されていたが, 手数料をゼロにしたり信託報酬を低くしたりと条件を厳しくしたため, 対象は投信全体の1%以下の50本前後になりそうだ.]


どんな基準で 50 本前後になったのか気になったので SBI 証券のスクリーニングで絞ってみました.

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ソート基準

売買手数料: 無料

信託報酬: 1.08% 以下   

決算: 半年以上

純資産: 100 億円以上

期間: 無制限

バランスファンド除く


検索結果
生き残りファンド数 : 47 本

以下に結果を示します. 貼り付ける関係で 2 つに表が分かれてしまいました. ご不便をおかけいたします.


ソートの結果, 47 本の投信が生き残りました. 日経新聞記者も大体この様なソートの仕方と推測されます.

100 億円以上を基準とすると, 同じ指数に連動する投資信託がかなりあります. そこで, より安定した運用を期待して, 資産規模を500 億円以上へとさらに絞ったところ 12 件まで減りました. 残った投信について, 上記の表内で〇により示しています.これらのみ信託報酬を示しました.
500 億円以上ではある程度絞られる為, この中から選ぶ方が楽ですね. アクティブファンドはひふみプラスのみ残っています.

私見ですが, 指数連動型のインデックス投信は 0.6% 程度の信託報酬に, できればおさえて欲しいと思っています. そこで SBI で検索可能な 0.54% 以下に設定しソートし直しました. その結果, さらに下記の 4 本へと絞られます.

再ソート基準
売買手数料: 無料
信託報酬: 0.54% 以下   
決算: 半年以上
純資産: 500 億円以上
期間: 無制限
バランスファンド除く

生き残りファンド名 (連動指数): 信託報酬

ニッセイ-ニッセイ日経 225 インデックスファンド (日経 225): 0.27%

三井住友TAM-SMT グローバル株式インデックスファンド (MSCI コクサイ): 0.54%

三井住友-三井住友・日本債券インデックスファンド (NOMURA-BPI総合): 0.1728%

三井住友-三井住友・DC外国債券インデックスファンド (シティ世界国債インデックス): 0.2268%

うん, なかなかに丁度いいですね.
国内株, 外国株, 国内債券, 外国債券 の投資信託が 1 つづつ残っています.
積立 NISA で投資信託を買うとしたら, 上記 4 本のインデックスファンドと, アクティブファンドのひふみプラスを足して, この 5 種類から選べば十分だと思います.


ETF を買うのか, 投資信託を買うのか
せっかくまとまりましたがそもそも投資信託を選ぶ必要があるの? と思いますよね. 下記の条件ならば投資信託を選ぶ価値があると私は思います.

積立 NISA で海外 ETF が購入できない場合です.

国際分散投資を目指す場合, 国外の ETF が積立 NISA で購入可能となるならば, 米国に上場する ETF が結局は最も適しており購入対象になるでしょう(残念ながら現在は認められておりません). 商品としての魅力に加え, 信託報酬の低さと流動性の高さには明らかなメリットがあります. 一方, 国内 ETF だけに限られたならば, 外国株指数に連動する国内 ETF の売買代金はかなり小さく流動性が低すぎます. よってこの様な状況下では投資信託を選択する価値が出てきます.

現NISAと積立NISA
やっぱり自由度の高い現 NISA の方が私としては良かったですね.
金融庁の方針の通り制度が整備されれば, ゆくゆくは積立 NISA に一本化されると思います. 20 年の長期にわたり運用するうえ, 非課税枠を守る為には売却できないと考えると,今回定められた基準も致し方ないとも思います. 今回の, この基準を元により長期投資に適した商品が今後生み出されていくことを期待しています.

(本音をいうと, NISA が始まる前の 10% 課税の特例のままが, 個人的には良かったです. NISA なんかより単純で使い勝手が良かったです.)

iDeCo と積立 NISA のどちらを優先するか.
積立 NISA と iDeCo を比較するなら, 先ずは iDeCo で積立をし, 余った額を積立 NISA にまわす方が良い様に思います. どちらも同じような投資商品を買うことになるからです. 所得税の減税に繋がる分, iDeCo に価値を感じます.

(iDeCo にデメリットがないわけではありません. 現在は積立資産に対して毎年掛かるはずの特別法人税 1.173% が非課税となっています. この特例がなくなった場合はかなりのデメリットになりますね. この辺りはお上の裁量ひとつで決まるため先が読めませんから怖いところです. 特に iDeCo は途中で積立金を引き出せませんからね.)

今回の基本方針は iDeCo にこそ必要だった.
今回のこの方針は iDeCo の投資商品の基本方針として本来は打ち出すべきだったのではと思っています. iDeCo で積立てるお金は老後資金の一部として活用することが目的です. よってその積立目的からもある程度投資商品を規制し保護する事が必要なものだと思います.

しかしながら, iDeCo で購入できる投資信託の方が, 積立 NISA と比べて基準が緩く, 明らかに地雷な商品も混ざっています. このあたりは担当省庁である厚生労働省の詰めが甘かったと感じざる負えません.

コメント
私たち庶民にはルールを自ら決める力はありません. ですが決められたルールを上手に活用するすべを見出すことは出来ます. より良い選択を行うために学び続けることが肝要です.

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こちらの記事 (2017,04,09) によると債券型の投資信託は積立NISA 対象外らしいですね.


纏められ次第アップします
500 億円以上の資産規模で再ソートした際に足切りされて消えましたが, 物価連動国債の投資信託にジワりと興味がわきました. 少し調べてみようかと思います→アップしました.
また, 生き残った 4 本のインデックス投信が用いていた連動指数の特徴についても調べられ次第順次コメントを追加していきます. 
MSCIコクサイを追加しました.

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