物価連動国債


NISA に適した投資商品を考察した際に少し気になったのが物価連動国債に投資する投資信託でした.



物価連動国債




その名の通り, 物価に連動して支払い元本と利子が増減します. 平成20年までに発行された物価連動国債については, 物価が下がった場合元本以下の金額が償還されることとなっていましたが, 平成 25 年以降に起債されたものについては元本 (額面額) が補償 (フロアと言うようです) されるよう変更されました. 一方利子については物価が下がるのと連動して下がる仕組みになっています.
イメージ図を以下に示します.

少し分かりにくいですが, 物価に連動して元本も利息も変動します.
以下がフロアのイメージ図です. 以下の通り, CPIが基準を割り込み元本を毀損する状況でも額面額は保証される仕組みです.

財務省HP からです.

額面額と発行額
額面は国が決めますが, 実際の発行額は金融機関による入札により決まる為, 額面を上回る値段をつけることもあります. これは注意が必要な点です. デフレの際に守られるのは額面のみです.
この場合,発行額通りのインフレとならなかった場合は, 私たちが購入する価格以下での償還となり損失が出ることとなります.


気になる現在の利率ですが, 今のところ額面 0.1% のものがほとんどです. 一方, 日銀の国債買い入れによる価格上昇に引っ張られて本物価連動国債価格も上がっています.


近年の日銀買受による国債価格上昇から, 日本国債への投資は利回りを基準とするものから大きく変わりました. この様な現状では投資に適した価格で買うことは難しく, 見送るのが無難に思います.


物価連動国債ファンドの信託報酬は安くて 0.432% でした. 額面 0.1% の利子では信託報酬分で既に赤字となってしまいます. ただこれは本ファンドに限らず日本国債に投資するファンド全般に言える事でしょう. 国債への投資は難しい時代になりました.

一般的な答えですが, これらの投資信託を買うなら個人向け国債か普通の定期預金の方が良いですね.
仕組みを知っておきたかったため取り上げましたが, 物価上昇が明らかになってから購入を考えても間に合うと思います.

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