2017年8月20日日曜日

日本人の投資状況について③ -個人投資家の投資先は?-

前回では金融商品へ投資する一般投資家が置かれた状況を考察してきました. 今回は株式投資家 1324 万人 (20 歳以上人口中 12.7%) に注目し, その投資行動を考察していきます.



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投資額, 投資先 (株, 公社債, 投資信託, 国内?, 海外?等) 個人投資家はどのように行動しているのでしょうか. 更に細かく見ていきます.

前回から参照元が変わります.


個人投資家の証券投資に関する意識調査書


データサンプリング方法

NOSデータベースから有価証券を有する層を無作為に抽出

全国の個人投資家 5000 人を選択し, 有効回答数 2024 人

※先の統計に関する基本情報から, 信頼性あるデータが抽出できてると思います.




個人投資家の投資先

個人投資家の証券投資に関する意識調査書を元に著者作成, 以下同様

複数回答資料の全体として, 預貯金 97.0%, 株式 74.5%, 投資信託 52.8%, 公社債 21.8%, 信託 8.0% と続き, デリバティブが 1.8% となっています.


投資商品個別で比べると, 性別により投資先比率に若干の違いが見られ, 男性は株式の比率が高く. 女性は投資信託と公社債の比率が高い傾向が見られます.

しかし総じて言えることは, 有価証券への投資として選択される手段の内, 株式, 投資信託がはやり主流であることが再確認されるデータです. 三位以下を大きく離しています. 意外と気になるのが預貯金を持っていない投資家です. 個人投資家の 3% はフルインベストメントの状態にあることが示唆されます. 本業又は投資先からの潤沢なキャッシュフローがある為か, 又は市場の成長に絶対の自信があるのでしょう.


現金は価値を保存, または交換するための媒体に過ぎないと私は判断しています. ですがその流動性は素晴らしく, リスク管理の面からも投資資産の15~20% を現金で保有する事を私は推奨しています.


投資先の推移

過去 5 年間の投資割合推移です. 株式については 2012 年に投資家の 73.4% が投資先としていましたが, 2014 年まで漸減傾向を示しました. 2015 年, 2016 年は増加し, 現在 75.4% を占めています.


投資信託についても 2014 年までは漸減傾向を示しましたが, 2015 年に上昇, 2016 年に若干の下落となっています. 基本的には株式と同じく投資信託も, その保有割合が上昇傾向にあると見ることができます.


一方で明らかな下降局面にあるのが公社債への投資です. 日銀の質的量的金融緩和から長短金利操作付き質的量的金融緩和の影響で一時的に 10 年物国債利回りがマイナスにまで低下し, 今でも引き続きゼロ近辺で推移しています. この様な状況から公社債の利回りも 10 年物国債利回りに引きずられる形で低下しています. これでは公社債に投資する旨みは無く, その影響としてこれらへの投資額が継続して低下しています.


この資金の逃避先として, ある程度利回りが望める株式や投資信託にその資金が流れているとみることができるでしょう.


さて, 今回はこれら投資先の内, 最も保有割合の大きい株式に注目しその内訳を見ていきます.


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保有する株式の種類




国内上場株が圧倒的です株式投資家の 92.3% が投資先として選定しています. 言語と文化を共有し投資先の情報を得やすいですから安心感があります. 続いて従業員持株会 (8.2%), 国内上場外国株 (3.5%), 非上場国内株 (3.5%), 比国内上場外国株 (2.4%) と続きます. 国内非上場の外国株へ投資している方は非上場国内株所持者より稀有な存在という事に先ずは驚きました. 前回の記事より 20 歳以上人口中, 株式への投資を行っている人は 12.7% いることが分かっています. 20 歳以上人口はおよそ 1.04 億人いますから 1324 万人の投資家が日本国内にいることが分かります. 先の割合から, このうち  31.7 万人が外国株を所有していることが導きだされます.

外国株投資家は率にして 20 歳以上人口の 0.3% です.

まさにマイノリティですね. このデータは 1 株でも外国株を所有している方は人数に含まれていますから, 外国株メインで投資している私の様なタイプの投資家は更に減ることが予想されます. 外国株を保有する人が 1000 人あたり 3 名ですから, これをメインとする投資家は人口 1000 人あたり推定 1-2 名程度でしょうか. いつかこういった話題で濃い話ができる友人を持つ事が一つ夢ではありましたが, 少し頑張る必要がありそうです.

株式からの受取配当金, その額は?



各年度で大きな違いはありません. 直近の 2016 年に注目して話を進めます.
この表から, 全体の 10.1% は配当金を受領していないことが分かります. また, 1 万円未満および 1-5 万円未満の層を合わせると 53.5% を占めることが分かります. よって, 投資家全体の 60.6% は年間受取配当金額 5 万円未満であり, 配当再投資による複利の効果を体感するにはほど遠い状況にあることが分かります.
次いで受取配当金 5~20 万円の層が 23.5%. 20 万円以上の層は全体のおよそ 10.4% であり, 受取配当金額が上がるに連れて構成割合は急低下していきます. 中でも 100 万円を超える配当を受領する投資家は全体の 1.4% しかいません.

1324 万人いる株式投資家の中で 100 万円を超える方は 1.4% ですから, 20 歳以上人口中に 18.5 万人いることが分かります. 割合に換算すると 20 歳以上人口中に約 0.18% いることになりますね. 1000 人中 1-2 名程度です. これを多いと見るか少ないと見るかは人それぞれですね.
私は意外に少ないなと感じた一人です. 先ほどの外国株投資家の件と同様にこれらの話題で盛り上がれる友人を作るのはそれなりの努力が必要なようですね.

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さて, このデータから一つ言えることは,


株式投資のインカムによる生活を目指す方は多いですが, 実際に達成した方は稀有な存在である.

ということです.

しかし, 一見達成が難しそうに見えるこの層への到達ですが,  5000 万円程度の投資資金を用意し, VTIVT などに投資すれば, それらの利回りから十分に達成可能な数字です. 高配当株, 配当成長株に特化した投資ならばより少ない金額で到達できます. そう思うと案外簡単だとおもいませんか?

さて, 全 3 回に分けて進めてきましたが, 日本国内の投資家の割合やその状況を把握することが出来ました. ぼんやりと抱えていた疑問を明らかにすることができ, 私自身もなかなか楽しく調べることが出来ました. 先輩の何気ない質問に感謝いたします.

数字のまとめ
日本国内に有価証券投資家は 1872 万人
そのうち 株式投資家 1324 万人
そのうち 外国株投資家 31.7 万人

受取配当金額は 0~20 万円で全体の 84.1% を占める.
100 万円を超える配当金を受領する方は 18.5 万人いて, 20 歳以上人口の 0.18% である.
身の回りにそのような方がいるのなら, ぜひ教えを請いましょう!

以上!

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関連記事です.

日本人の投資状況について① -個人投資家の人口は? 投資額は?- 


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